商機を逃さないためには、
お客様に全力を尽くすこと。
その熱意が人を動かし、
商売に繋がる。
製鋼原料事業 総合職
Y.K
未来に向かう新興国に貢献する仕事

鋼材や鉄骨材料を鉄鋼メーカーから仕入れ、ファブリケーター(鉄骨加工業者)に提供し、加工された建材を建築現場に供給していくのが、エムエム建材が展開する事業の一つの柱となります。しかし、私が所属する製鋼原料ビジネスはエムエム建材が展開する事業のもう一つの柱であり、私の担当は国内のスクラップ業者から鉄スクラップを仕入れ、主に海外の鉄鋼メーカーに船単位で販売しています。

鉄筋コンクリートや鉄骨で建造された建物を解体する際には、大量の鉄スクラップが発生します。また、自動車工場などからも、製造過程で大量の鉄スクラップが発生します。それらは、鉄鋼メーカーにとっての、鉄をつくる上での原料となります。そこで、スクラップ業者と鉄鋼メーカーの間を調整し、鉄スクラップの商流を築くのが私の役割です。販売先となる海外鉄鋼メーカーは韓国、台湾の他に、経済的に急激な成長を遂げているベトナム、バングラディシュなど、アジアの企業が中心となります。日本で集められた鉄スクラップが、海外で再び製鋼され、鋼材となり、現地の製造業や建設業に供給される。日本から出た製鋼原料を必要とする国に届けられる仕事には、大きな意義を感じています。

信用と信頼で繋がっていく仕事

この仕事の難しさは、鉄スクラップの相場が刻一刻と変化することです。相場の振れ幅は損益へ大きく影響するため、売り手も買い手も、相場に対応しビジネスを動かしていきます。その間に立ちビジネスを行う我々は、お客様への安定供給と販売枠の確保に向けた交渉を継続することで、信用と信頼を構築していきます。鉄スクラップのビジネスに限りませんが、我々商社はモノを持たず、お客様のニーズに応えることで利益を生み出していきます。自社の利益のみを優先し一つの取引がなくなってしまうと、その先にあるはずの全てのチャンスを失うことになりかねません。「お客様を第一に考える」という姿勢は、空疎なスローガンなどではなく、事業を展開する中で培ってきた、安定した取引を継続する秘訣となっているのです。相場の変化を読みながら、売り先と買い先のニーズの妥協点を見つけ、商売に繋げるべく提案を行う。非常に難しいですが、この仕事の面白さかもしれません。

商社ビジネスの基本である
トレーディングの醍醐味

鉄スクラップのトレーディングにおいては、「売り」と「買い」では圧倒的に「買い」の方が難しいです。「売り」の値段は国際相場で決まり、どの商社も買い先に提示出来る価格は大きく変わりません。しかし、我々から見た買い先であるスクラップ業者は、売り先である鉄鋼メーカーと比べ圧倒的に数が多く、業者を取り巻く環境は日々目まぐるしく変化しています。

例えば、ある地域ではスクラップの国内需給がタイトになっていても、ある地域では内需だけでは鉄スクラップの発生量を全て吸収出来ず、輸出のビジネスにチャンスがあることがあります。こうしたビジネスチャンスをタイムリーに捉え、適正な価格で安定的に鉄スクラップを購入、販売するには、全国各地に人脈を広げ、有用な情報を得られるネットワークを築く必要があります。

こうした人脈を広げるために必要なのは、何よりもお客様にとってメリットのある商売を実現するために全力を尽くすことです。誠意と情熱を持って仕事を行うことでお客様との関係をより濃いものにし、関係の深化は、商売をより太く、広くしていきます。

大手の総合商社が投資や資源ビジネスに注力する一方で、私たちは、人と人との関係で商売が成り立つ、商社がかつてメインとしていたトレーディングのビジネスを行っています。古いビジネスモデル、というネガティブな印象を持つ方もいるかもしれませんが、私にとっては、自分が能動的に動くことで多くのお客様と利益をシェアし、人脈と信頼関係を構築していくことがこの仕事の醍醐味であり、この面白さには古いも新しいもないと感じています。

営業としての引き出しはまだまだ増やせる

私はこの仕事を10年近く続け、今やその面白さにどっぷりとハマっています。勿論苦しいことも沢山ありますが、売りも買いも自由で、自らの持つ人脈・知識・経験をフルに活用し、自分の頭で考え能動的に動いて商売を決めた時は、堪らないものがあります。

ただ、私は今の鉄スクラップのトレーディングしか、業務としては担当したことがありません。鉄スクラップのビジネスも奥が深く知らないことは無限にあると考えていますが、今後商社の営業としての引き出しをより増やすためには、スクラップ以外の、出来れば海外取引のあるトレーディングを行ってみたいと考えています。

鉄スクラップ以外の商品の営業を行うことは、すなわちその商品に係る人との人脈を広げ、新たな商品知識を勉強出来る機会を得ることです。そうして得た人脈・知識・経験は、鉄スクラップの営業の引き出しを増やすことに繋がりますし、また、商品は違ってもどこかで必ずリンクしている要素があるはずで、鉄スクラップの営業を行う中で得た私の持つ何かと相乗効果を生めるのではないかと考えています。

昔ながらのトレーディングビジネスですが、自らが進化することでまだまだ開拓の余地があるこの仕事を、これからも突き詰めていきたいと思います。